hodaぶろぐる - こだわりの温泉考カテゴリのエントリ
湖畔の宿にサザンカの宿、それから北の宿、♪あなた、変わりはないですか?♪
宿にまつわる演歌にはどことなく哀愁が漂う。拓郎の「旅の宿」もよいが、旅愁はやはり雪の宿でなくちゃ。そこで今回は冬の温泉宿についてだ。
日本人というのは古来より、滝に打たれ、あるいは海や川に身を沈め、その浄水を全身に浴びて身を浄めてきたという希にゆかしい民族である。あのイザナギが黄泉の国から戻ったとき身の穢れを祓ったと言うから、その由来はこの国のかたちができあがる前の伝説時代にさかのぼるらしい。日本人にはそういう「潔」を旨とするDNAが脈々と受け継がれてきたのである。
その昔、若い頃の話。例によって、彼の下宿で酒盛り(あるいは麻雀)が始まると、彼は決まって自慢げに物語る。
洒落た都会のホテルならともかく、秘湯の宿となればこんなサービスを期待してはいけない。だいいち、秘湯というのは山奥である。山奥に行き着くには時間がかかる。すぐ湯に飛び込んで汗を流したい一心である。ロビーでコーヒーなどふるまってもらっても、それはサービスの押し売りというものである。
96年秋、紅葉真っ盛りの乳頭温泉郷・鶴の湯(秋田)を訪ねて以来、すっかり温泉、それも秘湯にはまってしまった。スタンプ10個貯めると1泊ご招待なんて特典もあり、もっぱら「日本秘湯を守る会」会員宿を訪ねて、先頃3枚目(30個)が満願成就。
噂通り素晴らしいところ、期待を上回って感動したところ、期待を裏切られたところ、など色々。そこで、「私の」独断による温泉考を思いつくままに書き連ねていこうと思いたったわけ。
例によって全編「偏見」に満ちているし、なんら科学的根拠にも基づかない駄弁にすぎないことをお断りしておく。